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2019/02/19

ロボアドバイザーのベンチマーク 前編


 一部のブロガーでは大人気推しの「WealthNavi」に代表されるロボアドバイザー。正直何故人気なのかわかりません。だってあれ、ベンチマークが無い高コストアクティブファンド(もしくはラップ口座)じゃないですか。自分の成績が市場平均もしくはファンドが想定するベンチマークに対して上なのか下なのかわからないって、どうなんですかね?


 だがしかしお金を出していない商品をただ貶めるというのはよろしくないので、まずは検証するところから入ってみたいと思います。対象とするのは「WealthNavi」です。運用対象となるETFが少ないので検証しやすそう、という理由で選定しました。

 「WealthNavi」のなかで中間的な位置付けっぽい「リスク許容度 3」で構成されるETF構成比を基にポートフォリオを分析、アウターガイ様が運営するサイト「バリュートラスト」様が公開しているツール「ポートフォリオアナライザー」を使いリターン・リスクを算出してみたいと思います。



 上記画像がリスク許容度3で提示された各ETFの比率です。株式クラスは再現可能ですが、債権クラスの再現が出来ません。一般的なポートフォリオ解析ツールでは「FTSE世界国債インデックス(除く日本)を採用する先進国債券インデックス」を使用するため、債権クラス100%米国債券のWealthNaviとは異なる結果になってしまうからです。ちなみに「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」の通貨構成比率は次のようになります。





 上記構成比率となるべき先進国債券≒米国債券へと置き換える形になりますゆえ、本来の指数とは違う結果になってしまいます。というわけであくまで「参考指標」ということを予めご了承ください。

 「ポートフォリオアナライザー」で追跡可能な2006年1月を開始月とし2018年12月締め、最初に一括投資し13年間ホールドした場合を再現します。今回比較対象とするのは「Fund of the Year 2018」で最上位に入った債権クラスを含むバランスファンド「eMAXIS Slim バランス 8資産均等型」とします。当然ですが信託報酬含む諸経費は含まれないものとなります。

 なお、ツールにおいて各クラスの配当金に関する扱いに言及がないため、その辺は一切無視することにしました(暴論)

資産構成比率


リターン推移


年換算リスク・リターン・シャープレシオ


このデータだけを見るとWealthNaviのポートフォリオが優れているように見えます。あのリーマンショックを乗り越え年平均4.12%を達成しています。ちなみにGPIFは2001年に運用を開始し途中でポートフォリオ変更(平成26年まで国内債券6割前後)が有りましたが、年平均2.37%(十分すごい)です。これだけ見ると「WealthNaviすごい」となりそうですが・・・私は積極的にロボアドバイザーを選択する理由というものを見出すことができません。





  

2 件のコメント:

  1. ロボアドバイザーは信託報酬を1%とりますから・・・
    調べ事が嫌いな人には良いのでしょうね。

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    1. Mike.Tさま

      コメントありがとうございます

      おっしゃる通りロボアドバイザーの大半は手数料が高いですよね。でもまあ、銀行窓口で勧められる販売手数料3%+信託報酬2%&タコ足配当毎月分配型ボッタクリ投信よりは良心的なんですけど。

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